※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度
会津駒と並び、平標山は手軽に日帰りスキーを楽しめる山として欠かすことのできぬ重要なレパートリーとなっている。手軽なだけではなくなかなか滑り応えもあり、ルートを選べば1~2月の厳冬期でも危険なく滑ることができる、たいへん貴重なコースだ。
今年は時期を逃してもはや3月末、もっと雪の多い時期に来たかったがそれでも雪は十分に残っている。天気も良く、Bandit2のデビューにふさわしい日だ。しかしBanditの慣れない重さに股関節が異様に疲れ、当初期待したほど楽しい山行にはならなかった。
07:30 登山口駐車場着。けっして遅い時間とは思えないが、もはや道路にまで車があふれている。幸い奥になんとか停めることができたが、登山道へ続く進入禁止の私道や近くの小学校内にも多くの車か停められており、大盛況である。
まずは除雪された道路を10分ほど歩く。最後の別荘で除雪は終わり、林道をシール登行。橋を渡ってすぐ、真っ直ぐのびる登山道と分かれ、ヤカイ沢へ入る。ここからしばらくは雑木の繁るすっきりしない地形のため、雪のだいぶ減ったこの時期には場所を選んで歩く必要がある。
送電線の下を過ぎると平標山の全貌が見え、歩くル一トはだいぶすっきりする。シール登行に適度な斜度のため気づきにくいが、1時間ほど登って振り返ると以外に高度を稼いでいることに気づく。
標高1350mくらいから本格的な登りが始まる。
最初は北西に延びる尾根の北側の沢を行くが、このまま登ると多少遠回りになるので、いつもの如く途中で沢をはずれ東に向かう。こちらは急登。しばらくシールで強引に登るが、途中でどうにもならなくなり、不安定な急斜面上でシールをザックに付ける。アイゼンを履くほどではないが、稜線手前まで息の抜けない緊張した登りが続く。
稜線のちょっと下で若干斜度は緩やかになり、再びシールを付ける。稜線まで出ればほっと一息。後は危険のない緩やかな斜面が山頂まで続く。
11:00 頂上着。人気ルートである西ゼン方面を覗くと多数のトレースが付いており、なぜかこちらに向かい登っているパーティもいる。途中まで下り、登り返しているのだろうか? 魅力的なコースであるが、土樽まで行ってしまうと単独行では戻ってくるのがきつい。複数人で行く時のためにとっておきましょう。
さて、下り。
この時期は雪崩の危険も少ないので山頂より直接ヤカイ沢へ無木立の急斜面を滑ることもできるが、林間滑降の好きな私はあえて登って来た斜面を滑ることにしている。
まずは平標小屋へ分岐する尾根までの下り。クラストしているが、この程度の斜度でこの板であれば何ら問題なく、意外と快適に滑れる。
小屋への分岐から登ってきた右の尾根に入る。そのまま1650m付近まで尾根上を滑りそこからヤカイ沢というのが一般的のようだが、途中潅木が生い茂り左斜面のトラバースを余儀無くされるなど、快適に滑ることはできない。そこまで下らずに途中の斜面をヤカイ沢に降りて行ってもよいのだが、上部は意外に潅木が密集して滑りにくいところが多い。
私の知る限り、1箇所だけ灌木が少なく快適に滑れるポイントがある。が、この日はちょっとだけ尾根を下りすぎ、そのポイントを通り過ぎてしまう。すぐに気づいたが、木の少ない斜面にたどり着くまで雪面に顔を出している灌木をバキバキ踏みしめながらトラバースするはめになった。
正規ルート(?)にたどりつけばあとは快適なコース……なはずなのだが、この日はなぜか調子がでない。クラストした滑りにくい雪ではあるが、通常であればそれはそれで楽しむことができたはず。重い板による疲れのせいであろうか。そういえばこの板で1000m以上登るのは初めて。すばらしい板ではあるが、やはり重いとこういうところに影響がでるのだろうか。
ヤカイ沢へ出ると雪はだいぶ柔らかくなり、多少滑りやすくなる。下部はブッシュがうるさいが、雪はしっかり付いておりまだ問題なく滑れる。木をかいくぐりながらの滑りだが、これはこれで楽しい。
12:27 林道着。除雪地帯も道路脇を滑り、なんとか駐車場前までつなげることができた。
(2004/3/28)
田代スキー場前の多少とも混んでよさそうな場所にあるのだが、3月中旬以降何回も訪れた限りではいつもガラガラ。この日も私ひとりであった。
必要なものは揃っているし私の評価ポイントからいえばもう少し点を与えても好いはずなのだが、なんとなくパッとしないので2つ星。