※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度
雪の落ち着いたこの時期、しかも晴天の土曜となればどこかロングルートでも滑りたいものだが、あいにく土曜は夕方から用事。天気が崩れる日曜に出かける気もしないので、午前中にサクッと下山できる守門大岳に登ることにする。
山スキーヤーにも登山者にも人気のこの山だが、通常ルートの西尾根は人が多くて雪が荒れまくっているのが惜しいところ。なので今回は大岳北方の中津又岳(1388点)西尾根を滑ることにする。
こちらは斜面の感じこそ大岳西尾根と似ているものの、雪がほとんど荒れていないのがなにより魅力。上部はゲレンデのような無木立の斜面、下部は快適なブナの林間滑降と、登りルートの喧噪をよそに楽しく滑ることができた。
日中はだいぶ気温が高くなったようだが、雪がグズグズに腐り出す前に下山できたし、時間の制約があったにも関わらず無理して出かけて良かったというものだ。
6:51 394m 駐車地点発。
到着時点で気温は零下だったが、すでに日なたの雪は緩み始めている。今日は気温が上がるようだし、日中はかなり緩みそうだ。
この時期、保久礼小屋までは登山道ではなく長峰経由で登るのが一般的。橋を渡ったところで車道をショートカットして北に向かい、正面の尾根に取り付く。時期が遅いと雪が落ちてこのショートカットコースは使えなくなるが、もちろんまだ大丈夫。
しばらくこの尾根を登り、杣道に突き当たったら道沿いに左の沢へ。今度は沢を詰めて適当なところで長峰に続く左手の尾根へ上がる。
あとは大岳山頂までわかりやすい尾根上のルートだ。
尾根に出ると視界が開け、越後駒ヶ岳や上越の山々が見渡せるようになる。残念ながら今日は霞がひどく、うっすらと見える程度。
ここから保久礼小屋まで30分ほど傾斜の緩い尾根歩き。単調で少々飽きる。
8:05 764m 保久礼小屋。ここからが本格的な登り。
細い尾根をしばらく登るとやがてブナの疎林帯。細い若木ばかりだが、それでも気分良く歩ける。
途中でキビタキ小屋の横を通過するが、すっかり埋もれているようで影も形も見えず。
さらに登ると森林限界上へ。山頂まで一直線に延びる真っ白な尾根はなんとも魅力的。とはいえ最近晴天続きだし、多くの登山者で雪面は荒れまくっている。
9:21-9:35 1431m 大岳山頂。
空気が澄んでいれば飯豊連峰なんてのも見えるはずだが、雲が多く、霞みもひどいので遠望は利かず。それでも守門岳(青雲岳、袴岳)や中津又岳への大雪庇など見応えはある。
山頂は風が強いので休憩は後回しにし、さっそく滑降開始。
まずは大雪庇の脇をトラバースして中津又岳へ。出だしはカリカリだったが、沢の源頭までくるとほどほどに柔らかくなる。
そのまま無理なく下り気味にトラバースを続け、中津又岳西尾根に合流。1388点のピークより40mほど下ったところだ。
ここから西尾根の滑降。登ってきた大岳西尾根と比べ、斜面の感じはさほど変わらないが、なにより雪が荒れていないのが良い。登ってくる人もおらず、ゲレンデのような真っ白な斜面を自由に滑っていける。 最近のシュプールが2、3残されているが、跡を見ただけで相当楽しんだであろうことが想像できる。自分もそれに交じって快適に滑っていく。
1100m辺りからブナの疎林帯。登りルートと同様だが、尾根はこちらのほうが広いのでやはり楽しく滑り降りられる。
気がつけば大岳・中津又岳は遥か彼方。滑りやすいルートなのであっという間だ。
900mで主尾根を外れ、保久礼小屋に向け南西斜面を滑降。ここも快適な疎林帯だが、ここだけは雪が重かった。今日はしっかり目のテレマークビンディング&セミファット板を持ってきているのだが、それでも足を取られる。
10:14-10:29 749m 保久礼小屋北側、母川河畔。本格的な滑降はここで終了。
ここで母川左岸へ渡る必要があるが、川はまだほどんど割れていないし、そもそも林道が通っているので橋がある(はず)。無理なく登りルートに合流できる。
ここから30mほど登り返し。シールを付けるほどではないのでツボ足で登る。
あとは登りルート通り。距離はまだ半分以上あるが、標高差は400mもなく、スキー向きのまとまった斜面ももうほとんどない。
とはいえトレースに乗ってどんどん滑っていけるのでイヤになることはない。ところどころストック漕ぎは必要になるが、あっという間に駐車地点だ。
(2015/03/28)
大岳登山口の最寄りの温泉であるが、ガイドブックなどの写真ではあまり魅力的に感じられず、いつも寄らずにスルーしていた。なので今回が初めてだ。
実際入ってみるとそう悪くはない。湯船は小さく、露天風呂などの付随設備もないが、必要十分だ。
大岳帰りの団体さんでも来ない限りそう混まないだろうし。
効能成分には定評があるらしいが、循環・加水で塩素も加えられているため、(色や臭いといった表面的な部分を重視してしまう自分には)効能の良さを感じられないのが残念。
さほど際立つものがないので評価は2としたが、別に悪くはないので、今後はわざわざ他の温泉に寄り道せずここで十分だろう。
――と思っていたら、ちょうどこの3月で閉館するらしい。ちょっと残念だが、最後に一度入っておいてよかった。