※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度
今年のGWはダマも私も9連休。このような機会はそうそうないので、のんびりと東北の山々を巡ることにする。
残念ながら今年の東北は非常に雪が少なく、スキー目的で訪れるにはあまり適していないのだが、美味いものが食べられればまぁいいかと、半ば観光目的だ。
まず初日は月山。遠出してまで滑りたいような山でもないが、鳥海山や八甲田山の途中に立ち寄るにはちょうど良いところにあるし、長時間のドライブ後でも気楽に登れるような山なので、なんだかんだで東北ツアーの初日はいつもここになるのだ。
いつものように各自の車で現地集合。1台をネイチャーセンター近くの駐車スペースに置き、もう1台で姥沢駐車場へ向かう。
例年であれば道路脇には高い雪の壁ができているのだが、今年はもうほとんど消えている。雪が少ないというより季節が早く進んでいるというのが正解で、実際、いつもならまだ見ることのできないブナの新緑がすでに真っ盛りだ。
残雪に輝くブナの新緑の美しさというのは特筆もので、この景色を見られただけで東北に来て良かったと感じる。まさかこの新緑(に付随するもの)に、のちのち東北ツアーを通じて苦しめられることになるとは思いもせずに……
8:35 1507m 月山リフト山頂駅発。
滑降コースとなる月山南西斜面は驚くほど雪が少なく、かつて見たことないほど黒々としている。話には聞いていたが、実際にこの目で見てみると愕然とする。
途中の牛首まではシール登行に適したスロープだが、どうせ上で板を脱がなければいけないし、雪も適度に締まっているのでシートラーゲンで登ることにする。
例年であれば風の強い山頂付近はカチカチに凍っていることもあるが、この様子ならアイゼンもいらないだろう。
9:31 1836m 鍛冶小屋跡下100m。ここで雪渓は終了。
これまで何度も月山に登っているが、どんなに雪の少ない年でも鍛冶小屋跡までは雪が繋がっていた。今年はこの先に小さな雪渓が残っているだけで、早くも登山道歩きとなる。
登山道上部は比較的整備されているが、途中の鍛冶小屋跡まではゴーロ状で、テレマークシューズではちょっと歩きにくい。やはり雪渓を登った方が楽だなぁと思ったものだが、逆にダマは「やっぱ登山道を登ると効率いいですね」と言っていた。単に好みの問題か。
9:51 1970m 山頂直下の広場。
この先は強風に悩まされることも多いが、今日はまったくといっていいほど風がなく、のんびり歩くことができる。
当然ここも雪はなく、それどころか完全に乾いた状態。まぁ雪が溶けて泥だらけになっていることもあるので、それに比べれば歩きやすくて良いのだが。
最後は石段を登って山頂の月山神社へ。いつもは半ば埋もれているので、鳥居をくぐって境内(というより風よけの石囲い?)に入るのも久しぶりだ。
10:00 1982m 月山山頂。神社の先の岩場でゆっくり休憩する。
さて、この後どうするか。
昨年は装束場まで滑ったあと湯殿山にも登ったが、稜線上のルートはところどころ雪が切れており、登山道もないため多少ながらヤブ漕ぎに苦労した。
雪の少ない今年はそれどころでは済まないだろう。
だからといってこのまま下山するのも味気ない。時間はまだ早いし、今日は急いで下山する必要もないので時間的に余裕もある。
ならば、東斜面(肘折温泉コース)か東南斜面(清川行人小屋コース)を途中まで滑るというのはどうだろう。登ってきた南西斜面に比べ、これらの斜面は信じられないくらい真っ白で、まさに滑ってくださいと言わんばかりの無木立の大スロープが広がっているのだ。
どちらの斜面も悪くないが、東南斜面は雪のない山頂広場をちょっと下らなければならないのに対し、東斜面はすぐこの場から滑り始めることができる。今日のところはより面倒のない東斜面を滑ることにしよう。
ちなみに、この日清川行人小屋コースを滑った人の記録がのちにヤマレコにアップされていた。こちらもかなり楽しかったようだ。
10:39 滑降開始。
出だしは急傾斜の無木立大斜面。縦溝があるのは残念だが、実に滑り応えがある。
これだけ広大な斜面なのにほとんど人は見当たらず、滑っているのは我々のみ。なんだか贅沢すぎてもったいなく感じる。
1800mほどでいったん平坦になるが、すぐにまた程よい傾斜の快適な斜面になる。正面の葉山に向かってどんどん滑っていくこの感じ、なんとも爽快だ。
やがて沢形状がはっきりしてくる。登山道のある正規ルートは右の尾根上だが、そちらはところどころ雪が切れており、一方沢底のほうは縦溝が激しい。自然とその間をトラバース気味に滑ることになるが、雪質もロケーションも良いのでそれでも十分に楽しめる。
10:53-11:01 1530m 千本桜付近。この先は谷が深くなるようだし、滑降はここまでにしておきましょう。
それにしてもこの肘折温泉コース、触りだけしか滑っていないが、これほど面白いとは思わなかった。
肘折まで滑り通すにはもっと早い時期に来る必要があるし、コース全体を通じてここまで楽しいわけでもなかろうが、それでもいつかはこのロングコースを滑ってみたいものだ。
ともあれ今日はシールを付けてここから登り返し。
途中で南側の尾根に上がり、月山山頂ではなくちょっと下側の山頂小屋を目指して登る。
2時間近くかかると踏んでいたが、思ったより順調にサクサク登っていける。といいつつも、最後の最後、急斜面を登り切ったところで足が痙って動けなくなってしまったが。
12:08-12:22 1959m 山頂直下の広場。
頂上小屋のちょっと東に大きく平べったい露岩があり、ここで寝転んでゆっくり休憩。
ポカポカして暖かいので油断していると寝てしまいそうだ。
休憩後、登山道を下って南西斜面の雪渓上端へ。
ちなみに昨年も雪は少ない方だったが、それでも雪渓は点々と残っており、板を何度か脱ぎながらも山頂から滑ることができた。もちろん今年はまったく無理で、素直に板を背負って歩く。
12:40-12:47 1860m 南西斜面雪渓上端。ここから滑降開始。
非常に展望の良いところで、朝日岳など重畳たる山々を見ながら気分良く滑ることができる。
が、まっすぐ快適に滑れるのはすぐ下の牛首まで。その後は金姥まで片斜面をトラバースすることになり、スキーとしては少々物足りない。
この後、装束場(石跳川源頭)へ行く場合は登山道通りに姥ヶ岳北東斜面をトラバースするのが一般的。そうすれば登り返しなしで、もちろんスキーを脱ぐこともなく滑っていける。
しかし本日そのトラバース斜面は雪が付いておらず、板を脱がずに尾根を回り込むことは不可能。
ならばいっそのこと姥ヶ岳まで登ってしまおう。姥ヶ岳から装束場までの北西斜面はまだ雪は残っているだろうし、滑降もより楽しむことができる。
12:55-13:02 金姥下1583m。
滑降はここまで。板を背負って姥ヶ岳北東斜面を登る。姥ヶ岳まではわずかな距離だ。
13:19-13:30 1666m 姥ヶ岳。
山頂は広く、多くのゲレンデスキーヤーが休憩中。スキー場のすぐ上に位置し、Tバーリフトもあるので割りと簡単に登ってこれるのだ。
山頂一帯の雪は消えているが、木道が張り巡らされているので、滑降ポイントの北西端までヤブ漕ぎせずに歩いて行ける。
が、北西端に出てみると、なんと北西斜面はほとんど雪がないではないか。
1人装束場に向かって下っている人がいるが、登山道があるわけではないのでかなり面倒そう。ちょっと真似する気になれない。
これならわざわざ姥ヶ岳まで登らず、金姥から登山道を歩いたほうがマシだった。装束場付近は雪があるので、前半はともかく、後半は滑れたはずなのだ。
さてどうしようとしばし悩むが、姥ヶ岳の南西斜面にも雪渓があったことを思い出す。
以前石跳川を滑っている際、一の木戸跡辺りに滑り降りてきたスキーヤーを見たことがあるのだ。
まだ雪が残っているかわからないが、とりあえず南西側へ行ってみよう。
ということでスキーを履き、ゲレンデ上部をトラバースして南西側へ。
南西端も全体的にハイマツで覆われているが、細々と雪が繋がっている箇所がある。それを辿っていくと、幸いなことに雪は石跳川まで繋がっている様子。
雪渓はさほど広くなく、傾斜もかなりきついところはあるが、この雪質なら問題なし。むしろ豪快に滑れて楽しかったりする。
少々雪が荒れているのは残念だが、それでも装束場経由のルートに比べて遥かに面白い。
平年並に雪があれば滑ることはなかったルートであり、結果的にいい方に転がった。
13:47 1107m 石跳川合流。ちょうど一の木戸跡の辺りだ。
いつも何気なく滑っている石跳川だが、かつての湯殿山の登拝道であり、これらの木戸で参拝者からお布施を取っていたらしい。
あとは沢沿いにネイチャーセンターまで滑るだけ。この先は腐れ雪になっていることが多く、必ずしも快適に滑れるわけではないが、ストック漕ぎを交えながらもそれなりに滑っていけるはず。
が、今年はまったくといっていいほど板が滑らない。そこそこ傾斜はあってもストック漕ぎ程度では追っつかず、歩くように下るはめになる。
下山後にわかったのだが、油泥の上を滑ったかのように滑走面にベタベタの泥がこびりついていた。どうやらブナの新緑が早い分、冬芽の芽鱗が大量に落ちており、その樹脂のためのようだ。
途中、バックカントリー体験ツアーの大集団とかち合ったが、ボーダーの皆さんはすでに滑走を諦め板を持って歩いているし、アルペンスキーの人たちも踵の上がらないビンディングでのろのろ歩くだけ。これではまったく楽しめなかっただろう。
しかしまぁ最後は多少のケチがついたものの、あまりの雪の少なさに愕然とした割りには十二分に楽しむことができた。雪不足で予定ルートを変更したことが幸いし、むしろ雪の多い年よりはるかに滑った感がある。
冒頭で「遠出してまで滑りたいような山でもない」なんてことを書いたが、月山のほんの一部しか知らずに評してしまったわけで、むしろ今回の東北ツアーでもっとも楽しめたといってもいいくらいの山行になった。
(2010/4/30)
道の駅「にしかわ」に隣接する日帰り温泉施設。
ともかく安い。
露天風呂など特別な設備があるわけではないが、ボディーソープやシャンプーなどアメニティーグッズもちゃんと揃っていて、値段の割にちゃんとしてる。
4月以降は朝6時から営業しているので、ここで車中泊して朝風呂を浴びることもできる。
隣の道の駅もレストランや売店など施設が充実しており、当然入浴後にソフトクリームだって食べられる。
月山I.C.ができたので通り道ではなくなってしまったが、それでもここに寄るためわざわざ西川I.C.で乗降するくらい、なにかと便利な道の駅である。
(2015/5/3)
「冷たい肉ソバ」の本場、河北町の店。
本当は有名な「一寸亭本店」や「いろは本店/支店」で食べたかったのだが、まだ営業時間のはずなのにすでに暖簾を下ろしていた。GWのため日中も営業し、客が押し寄せて品切れになったのかもしれない。
で、たまたま見つけたのがここ(いろは支店の隣だった)。
事前に調べた際、脂っこさが特徴のようだったのでできれば避けたかったのだが、こうなれば仕方ない。いや、むしろ営業しているだけで御の字だ。
肉ソバは評判の通り脂っこいというか、これまで食べた肉ソバに比べ多少クセがある。
ソバはしっかりと噛み応えがあるが、香りに多少欠ける感はある。とはいえ普通の蕎麦屋に比べればよっぽどマシだが。
個人的にはもう少しあっさり系のほうが好みだが、「冷たい肉ソバ」自体が美味しいので、食べられただけでまぁ満足だ。
ちなみに肉ソバには「げそ天」を合わせるのが一般的(?)というので一緒に注文してみたが、ここのは無駄に高くて立派すぎ。もっとチープなもので良かった。
餅とのセットはこの店特有で、他では見たことがない。じんだん餅(山形弁でずんだ餅のこと)は普通に美味しく、腹を満たすのにちょうど良かった。