※1 ... 休憩時間を除いた実移動速度
今週末は終日好天が望めるエリアはなく、青空が見込めるのはどこも土曜の午後から。その中で、戸隠スキー場だけは比較的早い時間に天気が回復するという。正直当てにはできないが、まぁ戸隠エリアであれば天気に応じていろいろコースを選べる。雪なら佐渡山、晴れたら乙妻山、微妙な場合は黒姫山といったところか。それに黒姫山であれば、七ッ池シュートを滑ったり、さらには御巣鷹山まで登ったりと、天気の回復度合いによりプラスアルファを楽しむこともできる。とりあえず戸隠に向かって損はないだろう。
朝6時過ぎに戸隠大橋に到着。10台ほどの駐車スペースはほぼいっぱい。最奥になんとか停めることができた。
天気は良くも悪くも予報通り。そのうち晴れそうな気配はあるが、この時間はまだガスが深く、ときおり雪もチラつく。その上、眠くてすぐに出立する気になれない。この時点で早立ちが必要な乙妻山はパスだ。
新雪はほとんどなし。昨日は雪の予報だったのでこれはちょっと予想外だった。ともかくこれで黒姫山に決定。この雪質なら七ッ池シュートも危なげなく滑れるだろうし、ラッセルもほとんどないだろうから、御巣鷹山まで足を伸ばせるかもしれない。
7:19 1140m 大橋。
まずはほとんど勾配のない林道歩き。トレースは多く、カチカチに踏み固められている。
30分ほどで乙妻山との分岐。スキーのトレースはすべて左の乙妻山・佐渡山方向へ向かっている。これだけ早立ちしているからには、みんな乙妻山を目指しているのだろうか(下山後にわかったが、佐渡山もけっこういた様子)。黒姫山へは登山者らしきツボ足トレース1つのみ。
途中ショートカットを交えつつ、南西尾根上の新道へ。尾根上はカリカリのバーンの上に10cm~30cmほど新雪が乗った状態。あまりシールが効かない。途中までは傾斜が緩くて問題なかったが、だんだん傾斜が増してきて、表層の雪ごと滑ってしまう。普段なら余裕で直登できる程度の斜度なのに、ちょっと苦労する。
途中、先行の登山者がアイゼンに履きかえているところで追いついたが、すぐに抜かされ、その後は結局全然追いつけなかった。多少潜るところはあるものの、今日はシートラーゲンで登った方が有効だったようだ。
09:38 1900m 姫見分。
ここからは外輪山上の登り。スキー場からの逆回りのルートと同様、厄介なのがここからだ。
外輪山上は狭くてデコボコに波打っていて、シールでは登りづらい。ところどころ右斜面から巻くことになるが、そちらは木が濃いのでやはり歩きやすいとはいえない。
ただ、今日は新雪の吹きだまりが少ないせいか、もしくは厄介だという先入観が強すぎただけなのか、思ったよりかはすんなり登れた。風がないのも助かる。
それでもやはり見た目以上に時間がかかり、天気が回復しないことも相まって、うんざりしながら登ることになる。
10:41 2050m 黒姫山。
途中ガスが晴れそうに思える時間もあったが、到着した時点では全然ダメ。むしろ昼食中にさらにガスは深く、雪も激しくなる。七ッ池シュートの滑降はやめて、このまま往路を下ろうかと思ったくらいだ。
しかし、先行していた登山者(中国の方だった)との話が弾み、いつもより長く休憩しているうちに、だんだんとガスが晴れていく。正面には火打山・焼山など、頸城や海谷の山々も望めるように。こうなると俄然やる気が出てくる。1人だったらガスの中サッサと滑り降りていただろう。
11:29 滑降開始。
まずは無木立の七ッ池シュート入口目指し、樹林帯を下る。山頂直下は木が濃く、ろくに滑れない。とりあえず木の間を縫って下るだけだ。
しかしすぐにシュート入口に。眼下のカルデラまで、真っすぐ筋のように無木立の斜面が延びている。ガリーというわけではなさそうだが、この無木立のラインはなんなのだろう。ともあれ雪質さえ問題なければ快適な滑降が約束されている。
上部は南西尾根と同様カリカリバーンの上に新雪が乗った状態。表層がどんどん流れていくが、さほどの雪の量ではないので危険を感じず楽しく滑れる。
中間部からは底打ち感がなくなり、さらに快適に。今日の雪質だと滑りの面白さは期待できないと思っていたが、予想以上に楽しむことができた。
11:43-11:55 1819m 七ッ池。
火口原の七ッ池まで滑り終えたら、続いて中央火口丘の御巣鷹山(小黒姫)へ。
登りは東寄りの斜面から。こちらはいい感じの針葉樹の疎林帯で、雪もフカフカ。西向きの七ッ池シュートと違って日も当たるので、気分よく登ることができる。
ただ、それも途中まで。上部はクラストしてシールが効きづらく、スリップしまくって苦労する。
12:46-13:14 20244m 御巣鷹山。
山頂は針葉樹に囲まれあまり展望がない。しかしちょっとした広場になっていて、日も当たるので居心地は良い。ちょっと移動すればそれなりに展望も得られ、黒姫山からは遮られていた雨飾山の屹立とした姿も望むことができる。
南西には乙妻山。北東斜面もよく見える。今まさに滑っている人もいるかもしれない。天気も回復したことだし、けっこう楽しめているだろう。
滑降は南寄りの無木立の斜面を選択。
こちらは登りルートと違ってカリカリの急斜面で、高速大回りターンを余儀なくされる。というより実情は初心者の暴走に近い。フォームはムチャクチャだ。こんなことなら登りルートの樹林帯を滑ればよかった。
火口原が近づくと、新雪が多少は被さってやっと滑りやすくなる。しかし調子に乗って楽しそうな斜面を滑った結果、最短の下山ルートを外れ、往路の方へ戻りすぎてしまった。距離的にはたいしたロスではないが、方向を間違わなければ峰ノ大池までシールなしで下れたのに、ちょっともったいない。
13:31-13:47 1820m 再び七ッ池。
ここでシールを付け、外輪山(姫見分)までカルデラ内部を登り返す。
御巣鷹山へ登っている間にシュートを滑った2人組がいるようで、カルデラ内には登山道通りに西登山口へ向かうトレースが残されている。自分は途中でトレースを離れて姫見分へ。相変わらず登りづらい雪質だが、標高差はたかだか100m、さほどの手間ではない。
14:21-14:35 外輪山(姫見分上部)1926m。
ここからは往路と同じ南西尾根を滑降。
上部は妙高三田原コースのような魅力的なダケカンバの疎林帯。多少なりとも新雪が被さっているおかげで快適に滑ることができる。すぐ下はハードバーンのため時々底を打つ感じはあるが、かえって板が走りやすくなっている気もする。
やがて植生はブナの疎林帯、そして雑木林を経てカラマツ林へ。多少は木が濃くなるものの、邪魔になるほどでもない。むしろ上部より新雪が残っていて滑りやすいくらいだ。
最後は林道に合流。傾斜は緩くともカチカチのジェットコースター状態。適宜スピードを殺しながらあっという間に大橋に到着だ。
それにしてもこの大橋からのルート、記憶していたよりずっと楽しめた。
ここ数年はパウダー目当てで東面のスキー場側からばかり登っていたが、今日のようにパウダーを望めない場合、こちらのコースのほうが楽しめるかもしれない。
(2016/02/11)
最寄りの「ホテルアスティくろひめ」は常に日帰り入浴できるとは限らず、この日も団体客がいるとかでNG。長野に向かう途中の県道37号近くにあったこの温泉に行くことにした。
一見共同浴場のような小さな温泉だが、しっかり内風呂と露天風呂があり、シャンプーなどもあってこの値段。
泉質も良さげだ。
この日行った時間はたまたま混んでいたが、総じて悪くない。
場所は離れるが、ホテルアスティくろひめがダメな時の最有力候補だ。